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【トピックス】畳表のおはなし1~天然イ草編~

桜も咲いて、やっと春めいてきましたね。街の雰囲気もどこか明るくなってきている今日この頃です。

あたたかいので神社までお散歩へ行ってみました。


春の花で溢れている神社の手水
某神社の小さな手水舎。鮮やかな春の色でした。

さて、ちょっとマニアックに畳の世界をご紹介する「tatami lover」シリーズ第2弾。今回は畳の代名詞とも言える、イ草素材についてまとめます。


 

目次



 ・匂い

 ・感触

 ・




 



イントロダクション


 突然ですが!


「畳を知らない人に、特徴を説明してください」


とお願いされたら、どんな説明をしますか?


・草っぽい独特の匂いがする

・表面はさらさらと冷たくて、植物でできている

・色が緑だったり黄色だったりする


…こんな感じでしょうか。

実は、この3つは「天然イ草の素材だからこその特徴」なんです。


詳しく見ていきましょう!





天然イ草素材の特徴



 草っぽい独特の匂い


  甘さを含んだ青っぽくも落ち着いた匂いは、不思議と穏やかな気持ちになりますね。

 香りを紐解くと、その芳香成分はかなり複雑なんです。


・フィトンチッド:樹木や木々から発される「森林の香り」


・ジヒドロアクチニジオリド:紅茶などに含まれていて、他の香りを引き立たせる役目をもっています


・α-シペロン:ハマブシという根茎が生薬に使われる植物の芳香成分でもあります。胡椒っぽい香りだそう。

 ちなみに、ハマブシはカヤツリグサ科の植物。イ草に似ていると引き合いに出されがちですが、実は仲間では

 ありません。

 むしろ、琉球畳に使われる「サンカクイ」という草の品種は、このカヤツリグサ科の仲間です。また詳しくお話します!


・バニリン:読んで字のごとく、バニラの香りの主成分です。みなさんよくご存じの甘い香り。

 畳表の加工過程である「泥染め」をするかしないかで、この香りの強さが変わります。


……泥染めってなに?


 

 【泥染め?】

 これを説明するには、イ草畳表の製造工程からお伝えしなければなりません。

新しい畳の表面の、白いさらさらとした粉は、この泥染めの名残なのです。


~イ草の畳表ができるまで~

イ草の刈り取り(収穫)→泥染め→乾燥→選別→検品→製織


この2番目の工程、「泥染め」は天然の細かい土を溶かした水に浸すことを指します。その後、乾燥することにより、イ草表面を覆う油分・水分を調整します。


「泥染め」には、 ・イ草の緑色を長持ちさせる

・畳表へ加工する際に織りやすくする

効果があります。

副次的に、イ草独特の甘い香りが生まれます。


つまり……あの香りはたまたま生まれたものと言われています。なんとラッキー。


 


植物のさらさらとした冷たい感触


 畳の上にごろんとすると、草の上に寝ているような感覚になりませんか?

天然イ草の内部にある、スポンジ状の組織が室内の湿気を吸放出してくれるので、お部屋の調湿に一役買ってくれます。

調湿するだけでなく、有害物質であるホルムアルデヒドの吸着性にも優れています(パルプやウールと比べて)。

いわば空気清浄機のような床材なのです。



が緑だったり黄色だったりする


 緑色っぽい和室より、黄色っぽくなっている和室の方が、馴染み深い方が多いかもしれません。

葉緑素が日に当たって、緑色が抜けて色が変わっていくことを「畳が焼ける」といいます。

高品質の畳表は、この焼け方が美しいと言われています。いわゆる経年美化ですね。

使われているイ草の長さ、徹底した選別など、あらゆる要素を満たした表の焼け方は、飴色もしくは黄金(こがね)色と表現されます。





おわりに


 いかがでしたか?

何気なくお部屋に横たわる畳ですが、製造工程から機能性に至るまで、かなり奥深い床材なんです!

1,000年以上、その姿をほとんど変えずに受け継がれてきた理由は確かにあります。


次回は、産地ごとに天然イ草を見ていきたいと思います。

またお会いしましょう~!








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